ローカルヒーロー(天河)

ちょっと放置気味だったので、
激極のおっさんかムッちゃんあたりが代打登板してくれるかなーと期待していたら、
全然そんなこともなく、実にシンプルに更新の間が空いてしまいました。
およそ三週間ぶりの登場も、お馴染みの天河真嗣です。


ここ最近、ダンマリ決め込んで何をしていたのかと申しますと、
まあ、当然の如く〈トロイメライ〉の原稿でした。
現在掲載中の第13回に続く14番目のエピソードを加筆修正し始めたのですが、
初稿では主人公の活躍がちょっと弱いなーと思いまして、それをフォローしようと考えたら、えらい筆が乗ってしまいまして。
気付いたら、100ページ以上の加筆量となっておりました。
もう書き下ろしの新作やんけ! 全然加筆の量と違うやんけ!
……と言うわけで、本来第14回と設定されていたエピソードを2回に分割し、
前後編でお送りすることになりました。
先ほど脱稿したのは、前編になります。分割された後編は第15回。
第15回はもうあらかた完成しているから、仕上げるまでそんなに時間は掛からないはず。
書き下ろしじゃないって、気が楽でいいね(だからもう加筆の量じゃないって)。



なんでしょうか、筆が乗ると100ページくらい軽く書き加えてしまうのは、
ある意味、悪い癖なんでしょうな。
どうせ新規書き下ろしをするならば…と、加筆分ではかなり冒険的な試みをしています。
はてさて、どうなることやら。


それとは別にローカルヒーローにまつわるアレコレを、ここ最近は調べておりました。
あくまで個人的な感覚、
それも好き嫌いを選り分けるまでもないレベルの話なのですけど、
ローカルヒーローに関しては、ちょっと食わず嫌いなところがありました。
激極のおっさんはローカルヒーローに詳しくて(図鑑も持ってます)、
僕なんかはローカルヒーローのネタと言えば彼から吸収したものが全て。
そこはかとなく漂うあざとさのようなものが肌に合いませんでした。
もうね、そんな風に考えていた頃の自分をブッ飛ばしたくなりますね。
厚顔無恥で不遜な自分に呆れます。


あのね、ローカルヒーローってすっげぇかっこいいんですよ。
僕が何に痺れたかって、変身スーツの造型とか本格志向の特撮とかではなくて、
作り手のみなさんの創作意欲、試行錯誤のエピソード。
時間、費用、物資、人材…製作に必要なありとあらゆる物が絶対的に不足している中、
作り手の皆さんは自分の持ちうる限りの力を出し尽くして、
それこそ採算なんて最初から度外視で、
目一杯、おらが村のヒーローを作り上げておられる。
しかもそこに自分なりのこだわりや趣味を盛り込んでいるわけで、
これはもう離れ業としか言いようがないんですよ。


そして、ふと冷静になったときに、
限られたモノの中で試行錯誤を繰り返して、色々な挑戦をしていくことは、
僕らと全く同じことじゃないか、と。
それを見落としていた自分がとても僕は恥ずかしくなりました。
ああ、なんて浅はかだったんだろう、と。
これでは、自分の活動を自分で否定しているようなものです。


そうして心を入れ替えてローカルヒーローに向き合ったときに、
僕はとてつもない勇気を貰えました。
僕らとさして変わらぬ境遇の中で創作活動をしている人たちが、
世間に受け入れられて、認められている。今や一世を風靡している。
こんなに励まされることはありません。
僕らももっと頑張ろう…とファイトが湧き起こります。


そんなこともあって、ついつい天河さん、頑張っちゃって。
100ページオーバーの加筆をしちゃったんじゃないかと自己分析しているわけですよ。
ものつくりに於いての一番の刺激は、
創作の世界で夢を追いかけている同好の士の力闘に触れること。


僕は震え立ちました。







尻に火がついた状態で


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