カレーが嫌いな日本人なんかいない! (天河真嗣)

あれほど厳しかった残暑が嘘のような秋の冷え込みとなりまして、
最近、仕事中もブルゾンを欠かせなくなりました。
そろそろ愛用するフライトジャケットを出す頃合かなーと密かに楽しみな天河です。
秋から冬にかけてのお楽しみは良いとして、
寒暖の差にやられたのか、はたまた緊張の糸が切れたのか、
昨日から微妙に体調を崩しております。


しょっちゅう「具合悪い、具合悪い」と日記に書いている気がしないでもありませんが、
とりあえず僕は元気です。いや、空元気でなく。
ムッちゃんに言われるように、年齢によるアレもあるんかなー。
それだったら心労より堪えるなー(吐血笑)。


それはともかく。
最近、カレーについてアレコレ調べる機会が増えました。
井上昭文さんが「カレーの嫌いな日本人なんていない!」と吠え声を上げたと言う、
日本人が誰もが好きなカレーライスでございす。
こないだの「小沢昭一の小沢昭一的こころ傑作選」でもその成り立ちを取り上げておりましたが、
旧日本海軍がバランスの良い栄養摂取を…と考慮したのが、日本のカレー(肉じゃがもね)の発祥だそうで、
退役した軍人たちが海軍の味と言う物を自分で再現して売り出したことから
和製カレーライスは全国的に広まっていったそうです。


と言っても、別にカレーの歴史を調べていたわけではありません。
歴史もカレーも好きだけど、その成り立ちにはさすがに食指は動かんですよ。
本日のお題は、つまり〈トロイメライ〉にて描くカレーのことです。
そもそもは、作中の食事シーンにかなりの頻度でカレーが登場すると
ムツさんが気付いたのが発端。
別段、意識してカレーばかり書いていたわけではないんですが、
言われてみると、栞さんが書いたプレスト―リーでもカレーが主役でした。


カレー鍋を貪る人々のシーンを読んだムッちゃん、
件のプレスト―リーも含めてカレーが多いと思ったんでしょうね。
で、そんな感想を貰った僕に、ある種のインスピレーションが訪れまして。
後出しじゃんけんになるけども、栞さんがプレスト―リーでカレーを推してくれたわけだし、
いっそ〈トロイメライ〉に登場する食事シーンはカレーを中心に献立を考えてみるかな、と。
舞台世界で最もポピュラーな食事をカレーにしちまおうと閃いたわけです。
一種の記号と言うか、お遊びですね。


とは言っても、毎度同じカレーライスを出しても飽きてしまう。
ならば、読者にもキャラクターにも飽きが来ないように
豊富なバリエーションを確保していこうかな、と。
カレー鍋はもう使ってしまったから次はシーフードカレーにしよう、じゃあその次は…と言った具合に、
カレーを使った料理、特徴的な食べ方をじっくり調べております。
時にスタッフさんに具の相談を振っていますが、
創作のことならいざ知らず、献立について話をする機会なんて滅多にないので、
これはちょっと話をしていて楽しいですね。
せいぜいムッちゃんくらいだったもんな、料理の話をするのって。


トロイメライ〉と聴いたらカレーを思い出してお腹が鳴ってしまう――そこまで読者さんを揺さぶることができたら、
それはこの作品の成功を意味するんじゃないかと(笑)。
いずれ〈トロイメライ〉だけのレシピみたいなものも掲載できたら面白いですね。
実際に調理してくれるスタッフ、求む!


それにしても…と思うのは、和製カレーと一口に言っても、メニューが膨大なんですなぁ。
オーソドックスなカレーライスをベースにしたものだけでも、
その店、その地区ならではの工夫や趣向を凝らした物が目白押しで。
黒部ダムカレーなんて、調べるまで見たことも聞いたこともありませんでしたよ。
インスタントコーヒーを隠し味にするなんて、美食アカデミーの方々もびっくりのハズ(美食アカデミー自体、今の若い子は知らないか)。


金沢カレーは取材も兼ねてこないだ実食しました。そう遠くないうちに〈トロイメライ〉に登場するでしょう(笑)。
にょういずみにょうプロデュースのスープカレーなんてのも調査対象ですな。


個人的には、知る人ぞ知る豆カレーを再現したいものです。
スリランカ名物なんだよね、豆カレー。
スリランカ名物って言うか、
一部の日本人にとって有名なスリランカ人の大好物って話なんだけど、コレ。