空想科学シリーズ(天河)

公式サイトの運営でお世話になっているレンタルサーバーの仕様が一部変更になったらしく、
先週末の更新時にムツさんがちょっと焦ってました。
前に運営していた個人サイトもサーバーさんがサービスを終了することになり、
それに合わせて閉鎖。
ここ数年はホームページ運営の難しさを実感する機会が多かった気がします。
サービス終了も仕様の変更も、サーバーさんの考えがあってのこと。
こちらはサービスの恩恵を受けている身分なので、感謝はすれども文句は持ちますまい。
変更を求められるものに対して柔軟に応じていくのみであります。


システム面でのことであれば、ある程度は割り切りが出来ると言いますか、
それこそ数の計算のように粛々とこなせば良いのですが、
これがセンシティブに訴えるものになると話は別。
特に旧来から在る視覚効果をデジタルネイティブ世代向けに調整されてしまうと、
アナログ感覚の洗礼を受けて育ってきた人間は、
生じた違和に戸惑うばかりでなかなか新しい表現へ歩み寄ることができません。


顕著なのが、特撮ドラマのCG表現ね。
80年代後半あたりまでは爆発も火薬を使って表現していたので
ナマの質量を感じられたのだけど、
新たに開発されたCG加工では、確かにド派手にはなったのですけど、
スーツやセットに物理的な力が加わらない為(安全面ではCGのほうが
良いに決まってますが)、どうにも無機質な発光に見えてしまって、
味気ないと言うか、物足りないと言いますか…。
爆発って感じに見えないんだよなぁ、どうしても。


撮影の際、爆発に合わせてカメラを揺らすのでなく、
映像に振動を加える加工を施すドラマがあるけど、それにも違和感。
プログラムとしてパターン化された加工だけに作り物感丸出しになってしまい、
観ていて集中が削がれてしまう。


新しい感覚を吸収しきれないなんて、なんて心が狭いんだ…と自分がイヤになりますが、
CG技術の凄さは勿論認めていますし、こうした演出を否定するわけではないのですけど、
感覚の部分はどうにもごまかしきれるものではなくて。
好む好まざるとは別の部分で、VFXとの歩み寄りが上手いこと出来ていない気がします。
素直に楽しめない自分のひねくれ加減が恨めしい…(涙)。


作り物丸出しって言ったら、特撮なんて昔から同じなんですけども、
昭和特撮の映像には、なんかこう、素朴な手作りながらトライアンドエラー
透けて見えるんですよ。
特撮に限ったことではないのですが、CGに頼れない分、
職人技のような工夫が随所に凝らされていて、
映像自体がある種のドキュメンタリー性を帯びているように思えるんですね。


複雑怪奇な怪獣・怪獣のスーツとか、今ならCG加工でリアルに再現できますが、
ペラくとも昔ながらのスーツが僕にはやっぱりしっくり来るなぁ。
使い回されてくたびれちゃった感のあるスーツがたまらなく愛しいんだよなぁ…。


…などと回顧趣味的なことをつらつらと書き連ねてきましたが、
コレってオンタイムで観ていたときは考えもしなかったこと。
VFXが進化した現在だからこそ、相対的に「昭和ならではの手作り感」を
見極められるようになったわけで。


そう考えると、自分でも気づかないうちに感覚が当世向きへとシフトしていたのかも知れない。
CGやVFXの可能性にはすごく期待していますし、
自分でもチャレンジしたい分野ではありますから。


自転車の補助輪を取るようなもので、使い方がなんとなくわかってきたのだから、
後は平衡感覚に慣れる&鍛えていけば、今とはまた違った見方になるのかもだな。


ただ、やっぱりフルポリゴンで立体的に表現されたダンジョンには
いつまで経っても慣れそうにありません。
視点回転なんて、十秒くらい続けてやってたらもう酔っちゃうよ!