零式(天河)

ドモコニチハコニチハ(フィリピン人妻口調)、
今回も今回で天河です。


ファイナルファンタジー零式が発売と言うことで、
クリッターデザイン担当のかにきめらさんも早速購入されたそうです。
作業スケジュールとの格闘と言う問題もあって
最近はとんと据え置き機のRPGから
離れてしまっている身分(ケータイアプリでは
ロマサガとかFF4とか遊びましたが)なので、
主人公たちの装いや世界観がなにやらホグワーツっぽいなぁと
感じる程度にしか触れていませんが(むしろ触れる時間がない)、
かにきめらさんやさめじま師匠の話を聞く分には、
何やら旧作とはシステム面でかなりの変化がありそう。
餓狼伝説と餓狼MOWくらい変化の振れ幅が大きいのかね?


ラインシステム廃止の是非とはさて置くとして、
RPGって言えば、高校〜専門学校時代は
友人とサークル組んでゲーム開発の真似事みたいなことを
やっていたですよ。
連載爆進中の<トロイメライ>もサークルでの開発を
想定して作った企画の一つであります。
結局、二本ほど作った段階でサークル自体が
活動限界になっていまいまして、
トロイメライ>は試験的にプログラムを組み始めたところで
開発中止となった次第。
シナリオは完成させたんですけどね、
就職やら進学やら現実という壁の前には
学生サークルは無力なものです。
ゲームはひとりじゃ作れません。
悲しいけどこれ、現実なのよね(スレッガーさん口調)!


ゲーム作っていた当時に一番こだわっていたのは
シナリオでもキャラクターでもなく、
モンスターだったなーと述懐なう(←なうって書くとナウいよね)。
メガテン大好きな友人を強引にサークルに引きずり込んで、
モンスターデザインをお願いしたんですけど、
方向性を決めるときに「怪獣やろうぜ、怪獣」と言う話で押し切りまして。
どうせやるなら悪魔絵師路線で…と言っていた彼にとっては
この決定は驚嘆の一言だったと思います。
悪魔と怪獣の間には大きな隔たりがありますもの。
そして、そいつはウルトラ怪獣とか全然詳しくなかったんですもの。
とりあえず昭和ウルトラマンシリーズのビデオを観て貰うことを
出発点にして貰いました。


我ながらムチャクチャなことやってたな。
半ば冗談のつもりだったんだけど、
途中から他の面々も怪獣路線をだいぶ気に入ってしまったので、
最終的には数の暴力もといデモクラシーで圧殺でしたよ。


それだけに………
「悪魔しか描きたくない」ってボヤいていた男の口から
「足は短めでごんぶとが基本だよな」と言う巨大怪獣の神髄が
語られ始めたときは、ちょっと感動しましたね。
と同時に、してやったりって(笑)。
最終的にはスタッフの誰よりも怪獣に詳しくなったT君曰く、
「やはり怪獣王はゴジラだな。勉強してわかったけど、
あのデザイン美は完璧だよ」とのこと。
ムンク「叫び」が持つ本当の味わいを悟った画家のように
彼は達観していました。


そんな彼と久しぶりに会う機会があったので、
当時描いていた怪獣デザインをこちらへ寄越すよう要請したんですけど、
「あれを表に出したらパイルドライバー喰らわすからな!」と
猛烈な勢いで却下されてしまいました。
いわゆる黒歴史ってヤツなのか? 
可愛い彼女に知られたくないのか、自分の本性を(笑)。
けっけっけ…、お陰でこっちはてめーの弱点を掴んじまったぜェ!


と言うわけで、トロイメライ零式(ゼロスタイル)の頃のお話でした。
怪獣デザイン云々は、一つ前の作品用の話なんですけどね。