おバカどうでしょう(天河)

どうも奥さん、知ってるでしょう。天河真嗣でございます。
おい、パイ食わねぇか?


…と、のっけから客を選ぶ放言を飛ばす程度には「水曜どうでしょう」にハマッております。
心は道民らしい激極のおっさん(一時期、札幌に在住)よりも「水どう」観ているんじゃないかとの噂もチラホラ。
ムツさん相手に啓蒙活動なんかしちゃったりして、すっかり「どうバカ」と化しております。


これも一種の近況報告なのかね(笑)。
いやいや、この内容だと単にアホのプランナーが好きなバラエティを紹介してるだけになっちゃうな。


水曜どうでしょう」が好きな理由の一つが、そこに作り手の愛情を感じられるから。
ざっくり言っちゃうと、媚びてないんですよ、客に。これがもう驚くほど。

番組の特徴を説明されたムツさんが「意味わからん」と言ってしまうぐらい、もうめちゃくちゃなんですよ。
だってローカルタレントと地方局のディレクターが旅をしつつ罵り合ってるだけなんですよ? 
この内容だけ聞かされたら、もう数字をあきらめているとしか思えない。
なのにこれだけの支持を集めているのは、モジャ毛のローカルタレントが持つポテンシャルだけでなく、
番組自体が放つ手作りの温かみみたいなものに視聴者が共感しているからだと思うんですよ。
などと共感している本人が言ってみますよ(笑)。


作り手が本当に楽しんで作っている。
ぶっちゃけ、視聴者なんか知ったこっちゃないぜってスタンスで。
全然媚びていない。媚びていないのに共感を勝ち得ている。
これってすごいことですよ。
そして、何よりも理に適っている。


向上心を持ってギラつくのは、それはそれでもの作りに欠かせないメンタルなのだけど、
作り手が楽しむことを忘れては本末転倒だと思う。
数字にこだわり過ぎて客寄せに躍起になるスタッフの姿が隠然と作品の背後にあっては、
受け手だって集中しきれませんよ。
いやらしさが透けて見えるんだから、心から楽しむことは出来ない。


受け手はそこまで見ている。
作品を通して作り手のメンタルを…ではなく、作り手を媒介にして作品へアクセスする人は意外と多い。
水曜どうでしょう」と言う希有な番組を通して、
僕はそのことを改めて考えさせられました。


思えば小学生の頃、企画・製作を担当したお昼休みのクイズ番組でも、僕は道化師みたいなことをやっていた。
そんなバカバカしさを楽しみ、クイズ番組に興味を持ってくれた人もいたんだ。


僕はこれからも全力でバカをやっていきます。
僕らが心から楽しんで<トロイメライ>制作に当たっていることを“共感”して貰えるように。


同じバカなら踊らにゃ損々!