映画好きのグダグダ(天河)

何ヶ月かに一度、無性に映画に溺れたくなる天河真嗣。
ここ最近、その兆候が見え始めました。
きっかけは正月観ていたオールドムービー(「西部開拓史」とか)。
それで高まっていた映画熱が先週、地上波で放送した「プラダを着た悪魔」を観て
一気に熱を帯びた感じです。
しかも、知人と話していたら絶妙のタイミングで「ブラス!」の話題が出るんだもんなぁ。


ブラス!」って、みんな知ってるかなぁ…。
閉鎖寸前の炭坑街を舞台にしたバンドもののイギリス映画なのですけど、
少し前に邦画で「フラガール」が話題になったとき、
誰ひとりとして「ブラス!」を思い出してくれなかったんですよ。
もしかしたら僕が見落としているのか、あるいはバカには見えない文字で
書いてあったのかも知れないけど、少なくともチェックした映画関連の記事には
フラガール」と「ブラス!」を照らし合わせたものはなかったぞ。


音楽ものなら、アカデミー賞も受賞した、M・ストリープ主演の
「ミュージック・オブ・ハート」よりも僕は「ブラス!」を推すな。
もちろん「ミュージック・オブ・ハート」も素晴らしい名画なのですけど、
不器用でチャーミングなオッサンたちが私生活の問題を抱えながらも
一生懸命音楽に打ち込む「ブラス!」のほうが僕は感情移入できたんですよ。
クライマックスの演奏シーンも不器用なオッサンたちが頑張ってると言うだけで
もう琴線を振るわされます。
僕の胸にはオッサン匂いのほうがカーネギーホールより響いてしまった!


と言うよりも「ミュージック・オブ・ハート」は観る順番が悪かったな。
殆ど同じストーリーラインをベースに進行するR・ドレイファス主演の
「陽のあたる教室」と言う教師ものの洋画があるのですが、
これを先に観た後に「ミュージック・オブ・ハート」を観ると
どうしても霞んでしまうんですよ。
それだけ「陽のあたる教室」は教師ものとしての完璧なクオリティを備えていました。
主人公の教師が学校を去るラストのクライマックスは間違いなく映画史に残る感動のシーン。
ヒロインか主人公を突然死させなきゃお涙頂戴を作れない三流の監督は
これを観て感動がどう言うものかを勉強するといい(強気に出てスミマセン…)。


で、「ミュージック・オブ・ハート」。
僕の中では、音楽ものとしては「ブラス!」に及ばず、
教師ものとしても「陽のあたる教室」には勝てなかった、
両方の映画の特徴を薄味で混ぜ合わせた印象の映画です。
もちろん面白かったですよ。作品の濃度と面白さはまた別問題ですし。
ただちょっと子供とご都合主義に頼りすぎてたな!
カーネギーホールでの演奏シーンも、映像的に美しかったし、
ストリープのヴァイオリンも素晴らしかったんだけど。


教師ものでは「勇気あるもの」も大好きな一本。
て言うか、「ミュージック・オブ・ハート」も「陽のあたる教室」も
「勇気あるもの」も主人公が教師になるきっかけは似た通ったかなんだよな。
失業→仕方なく教師として再就職…みたいな。
もちろんそれぞれに個性があって、「勇気あるもの」も素晴らしいドラマツルギー
感動を与えてくれます。
主演のD・デヴィードの軽妙な演技がまた絶妙で、問題児や堅物の同僚たちを
解きほぐしていくプロセスがとてもリアルに感じられました。
タイトルになっている“勇気あるもの”の意味がクライマックスで
明かされるあたり、シナリオの作り方も巧いな、と。


「ペイフォワード」はラストシーンが未だにトラウマで、
当時は二度と観たくないと思った映画なんですけど、
今見返したらきっと新しい発見があると思う。今度借りてくるかな。
でも、その前にバックストリートものの傑作「プロデューサーズ」も観ておきたいし、
今更だけど「シカゴ」も観たい。
それから冒頭に出てきた「プラダを着た悪魔」ももう一度、観たいところ。
ストリープの吹き替えをした夏木マリさんの演技がCJ・クレッグを
彷彿とさせたところが某ドラマファンにはたまらない!
仕事にどう向き合うべきか悩んだことがある人には感じるものが多いと思います。
ブランド品を冠している割りに映像自体は地味と言うか手堅いけれど、
シナリオは秀逸です!


嗚呼、素晴らしきかな映画三昧。映画はいいよね、心が豊かになるよ。いや、まじで。
今回の記事に出てきた全てのタイトルがわかる人とはきっと親友になれるはず。
連絡、お待ちしております(笑)。


ここまで映画のことを書いておいて、SF映画が
全く出て来なかったことに今更気付いた!
ま、まぁ、趣味と表現したい世界観は別物ってことでひとつ(汗)。