推敲DAYS(天河)

またまた一週間近く開いてしまいました。
最近は空き時間の殆どを執筆に費やしている天河でございます。
ただいま第8回(つまり現在掲載のスタートしているエピソード)の、
次回以降の最終決定稿を加筆中です。


初稿自体は数年前に既に書き上がっておりまして、
あとは改行等を調整するだけでいいはずなのですが、
やはり数年を経て冷静に読み返してみると、
執筆の当時には気づいていなかったミスや文章力の至らなさが目についてしまいまして。
僕も激々極々も初稿執筆時と同じくらい時間と力を注いで、加筆修正を行っております。
Webディレクションと更新作業を一手に引き受けてくれているムツさんには
気苦労をお掛けしておりますが、少しでも作品を面白く進化させていこうと
ぎりぎりまで粘って粘って書き続けております。


シーンの繋ぎが甘いと感じた部分や、
後の展開への伏線などなど初稿への差し込みも増えています。
第8回では既に20頁分の差し込み原稿を書いています。
しかも、まだもうちょっとだけ増えそうです。


初稿と言うのは、設計図であるプロットからストーリーを起こしていく作業とも言えます。
住み続けるうちに「家」がその持ち主たちへ馴染んでいくように、
必要に応じて増設工事がなされるように、
トロイメライ>を書き続けるうちにキャラクターたちも育っていきます。
世界観だって広がっていく。


数年前に完成している初稿を改めて読み返し、
執筆を先のエピソードまで進めたからこそ見えたもの、掴んだものを
加筆・修正と言う形で過去の原稿へ落とし込んでいく。
推敲は原稿を作るにあたって必要不可欠な作業ですが、今、僕らが行っていることは、
作業としての推敲を超えた何かじゃないかと、時々思うことがあります。


図面でしかなかったプロットに息吹を吹き込み、生命を与えるのが初稿。
その生命が持つ隠れた魅力を引き出していくのが、<トロイメライ>に於ける推敲。
そんな心持ちでいます。


…なんて、大まじめに書くとちょっと照れくさいな(笑)。
これもまた長期に亘って製作を行うプロジェクトならではの醍醐味なんじゃないかと思います。
書き上がったものを即座にアップロードすると言う、
ブログ等で一般的になっている体制とはまたひと味違う楽しみと言いますか。


かにきめらさんが作って下さるクリッターデザインや、
神崎さん入魂の扮装案、栞さんが作ってくれる環境設定を
本編中で印象的に表現したくて、
過去に書き上げた原稿にこれらを落とし込んでいますが、
これもまたプロット段階では想像すらしていなかった、望外の喜び。


作品を練り上げると言うのは、つまりこういうことなのでしょう。